牛丼の吉野家には、牛丼一筋という強みがありました。米国産の牛肉の味を引き出すために白ワインをもとにした発酵調味料まで使い込み、百年以上うまさを追いかけてきた末の一筋です。
その強みが、BSE問題で一夜にして弱みに変わりました。米国産以外の牛肉を使えば、味のつり合いがすべて崩れてしまう。一筋であったぶんだけ、逃げ道がなかったのです。強かった理由と、動けなくなった理由は、まったく同じものでした。
吉野家は豚丼などの新しい商品を出して、この危機を切り抜けました。当時の社長はアルバイトから上がった方で、社員の誰よりも牛丼に愛着があったはずです。今までやってきたことを自分で否定して舵を切るのは、たやすいことではありません。
外の環境が変わるということは、かつての強みが強みでなくなるということです。貴社がいちばん自信を持っている強みは、今日も強みですか。
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