人が買うか買わないかを決める基準は、万国共通でたった二つです。商品の価値と、商品の価格。支払う額より価値のほうが大きいと感じたとき、人は買いたいと思います。
この二つは、価値を価格で割った値だと考えると見通しがよくなります。値を大きくする方法は二つしかありません。分母の価格を下げるか、分子の価値を上げるかです。多くの会社が、迷わず分母のほうへ手を伸ばします。
けれども、この二つは対等ではありません。価格の引き下げには必ず限界が来ます。原価を割れば会社が持ちません。一方、価値の引き上げに限界はありません。いくらでも上げられます。私が中小企業の社長に、値下げだけは絶対にしないでくださいとお伝えするのは、そのためです。
町田市のある街の電器店は、大手量販店の約二倍の値段で薄型テレビを売り、販売台数で日本一になりました。値引きは一切していません。貴社が動かそうとしているのは、分母ですか、分子ですか。
この話に関係する記事:「値下げしないと売れない」は思い込み―中小企業が価格を下げてはいけない3つの理由
